寄稿文

静岡市剣道連盟副会長より

青少年指導に思う 静岡市剣道連盟 副会長 阿部 誠

少年剣道教育奨励賞を受賞して、平成25年度

広報誌の寄稿にあたり、本連盟を今日の隆盛に導いて下さった先輩諸兄に心から敬意を表したいと思います。

昨今の社会状況の中で、特に青少年の一部の間で人命を軽視するような悲惨な事件が多発しています。信頼や敬愛、優しさや思いやり、道徳心などという言葉が死語になりつつあり、教育現場のみならず大きな社会問題として大変心配されています。

古来、我が国においては人間形成の道として貴ばれ、修練の道として尚ばれてきた武道は、今や日本だけではなく海外からも注目を集め、誇り高い伝統的運動文化として、その地位を築き上げています。この武道がこれからの青少年の精神的な危機を脱するのに貢献するものとして、再確認されるのは必至のことではないかと思われます。

教育現場でも「武道」をすべての生徒が履修することになりました。特に青少年期の人間形成の道として剣道が奨励され、期待が寄せられるのはそのためではないでしょうか。

剣道をはじめとする武道が目指すものは、心身を鍛え、技を磨くことは勿論、礼儀作法を重んじ、お互いに相手を尊重する姿勢を育むなど、豊かな人間形成を図るうえで大変意義深いものがあります。また、剣道が子供から高齢者まで、幅広い年齢層に愛顧されていることは、生涯を通して明るく豊かで、健全で活力ある社会づくりを進めていくうえでも大いに貢献しているということではないでしょうか。したがって青少年の指導に携わる者は、剣道に対する考え方や指導方法などについて一層見識を深めながら、時には厳しく時には温かく、愛情を持って「正しい剣道」の伝統を受け継ぎ、指導しなくてはならないと思います。このことは剣道の普及発展にとどまらず、次代を担う青少年の豊かな人間性を養うものと確信いたします。本連盟の大きな目的、青少年の健全育成に通じるものがあります。

これからも静岡市剣道連盟の益々の発展と会員の皆様が健康で稽古に精進されますことを祈念いたします。

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