六段、七段昇段審査において 鳥巣誠一先生、青木正勝先生、鈴木知栄子先生より
令和５年度、春の全国昇段審査会で昇段されました静岡市剣道連盟会員の３名の先生方にお言葉をいただきました。
鳥巣誠一先生は、今回の全国審査会で最高齢８１歳での七段昇段、青木正勝先生は７１歳での六段昇段、鈴木知栄子先生は女性で七段に昇段されました
七段昇段審査において 静岡市剣道連盟顧問 鳥巣 誠一
私は令和5年5月13日午後の部、七段審査を名古屋市枇杷島スポーツセンターにて受審しました。
私は昭和54年に静岡市歯科医師会に新しく剣道部が創設されることを知り、参加することに致しました。
私は高校時代の友人に剣道をやっている方が多く、当時私は43歳で男子3人の父親として健康のために何かスポーツをやりたいと思っていました。
私は現在81歳になり、継続できたのは優秀な指導者に恵まれたことです。
最初は井上義彦先生、次は前芝先生、そして一番長く指導していただいた滝川先生です。そして歯科医師剣道部の皆様には親切にしていただき、これからも楽しく稽古を続けたいと思っています。
日曜日や早朝、夕方の稽古で親しく稽古をいただいた皆様に感謝致しております。 今の時代、剣道を運動としてやる人口が減っています。
昔からの日本固有の文化の代表的なものです。
最近は外国人が多く参加しています。今後日本でも剣道人口が増えて欲しいですね。
「私の剣道」 青木 正勝
令和５年５月１４日名古屋審査会に於いて剣道六段位に合格しました。７１歳の挑戦でした。
これまで御指導賜りました先生方をはじめ、剣友の皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。振り返れば、私の子供達が道場に通い始め、付き添いで毎回稽古を見ておりましたが、ある時、子供達に「お父さんは剣道を知らないのに文句ばかり」と言われ、軽い気持ちで「よし！父さんもやるぞ！」と近くの体育館剣道教室に入校し始めたのが３６歳の時であり、親子３人で稽古に通いました。
子供達は上達も早く強くなっていきますが、私の方は指導の先生に毎回同じことを注意され、剣道に向いていないと思う程でした。
子供に励まされ、何とか続けて３５年になりました。四段合格をいただいた頃よりある先生の御指導を賜り、いろいろな講習会を受講し始めました。剣道大会へ参加し、幸運にも全国大会にも出場でき、日本武道館での大会は心に残っております。
剣道には交剣知愛との言葉があり、多くの剣友と知り合い、多くのことを学びえたことは今までの人生にプラスとなっています。
孫とも剣道を一緒にやることもでき、私に剣道を始める機会を与えてくれた子供に感謝しつつ、この先も健康に留意して、生涯剣道を目指します。ありがとうございました。
「感謝」 鈴木 知栄子
この度、京都の審査会にて七段に昇段いたしました。これもひとえに先生方、剣友の皆様に稽古をつけていただいたおかげです。心より、感謝申し上げます。
父の背中にあこがれ、中学の剣道部に入部したのが３５年前。大圓堂拓心館に入門し、福島平八先生（故）、池田晧彦先生（父）に、高校では安永宗司先生、長澤渡先生にご指導いただきました。東京の女子大へ進学した先では、多くの女性剣士の活躍に刺激を受け、静岡に戻ってきてからは「生涯剣道」を共に歩める多くの剣友と出会いました。
そして今、仕事に従事する傍ら、県連、市連の事業に携わる機会をいただき、年間を通じ養浩館に足を運び、稽古を続けております。
これまで剣道を続ける中、順調なことばかりではなく、６年前には首のヘルニアとなり、手術後、剣道は二度とできないと覚悟した時期もありました。何かできることがあるとの思いから、稽古ができずとも道場に足を運ぶことから始め、強化稽古、大会等、関わる中で、道場中にこだまする掛け声、懸命な姿に心動かされ、一年後には、素振りから稽古を再開いたしました。それ以降、試合、審査は控えつつも、剣道に関わり、稽古ができる喜びをかみしめておりました。そして一昨年、６年ぶりの昇段審査を決意し、朝稽古、夜稽古、強化稽古等に取り組みました。あきらめずトライした先に見えた新たな景色は、とても清々しくもあり、常に身が引き締まる思いでおります。
日々、仕事に追われる中、生活の一部として剣道を続けることは、決して当たり前のことではございません。特に、女性が家庭を持ち、剣道を継続するには家族の理解と協力なしにはできないと思います。常に温かく見守り、共に喜びを分かちあってくれた主人に、感謝いたします。
薄い半紙のような一日一日の積み重ねが、気づかぬうちに厚みとなり、強みとなり、個性、魅力となります。良き日も、悪しき日も、どれも好日ととらえた中での日々是好日、継続は力となります。
剣道が紡いだご縁を大切に、新たな気持ちで精進してまいります。今後ともご指導よろしくお願いいたします。