道場訪問記

その21 興津剣友会(清水区興津中町)

昭和49年創立の歴史ある剣道教室「興津剣友会」。
会長で師範の大村正興先生と息子で師範代の豪先生の親子先生の個別濃密な指導が特徴。基本をしっかりと押さえながらも市外の大会や錬成会へ出向き試合稽古にも力を入れています。
地域密着で小中一貫での指導が可能な「興津剣友会」の魅力を取材してきました。

昭和49年12月、当時の興津小学校に教員として赴任されていた杉山勝久先生が発起人となって、一般愛好家を呼び掛けて週に一回程度稽古を始めたのが「興津剣友会」のルーツです。その後近隣のスポーツ少年団などの影響を受け小学生の参加も呼び掛けたところ、大勢のちびっこ剣士が集まり本格的に少年剣道教室としての「興津剣友会」がスタートしました。

現在、興津剣友会の会長で指導の責任者を務めるのは大村正興先生です。正興先生をサポートする形で息子の豪先生(興津剣友会OB)も指導に加わっている他、第二代と第七代の二期15年もの間会長を務められた宮城義則先生もお元気に指導に携わっています。

最大時は一時期に50人程度在籍していた時期もあったそうですが、現在は小学生7人、中学生5人、一般6人の会員。稽古は、火・金・日の週3回、興津小と興津中で行っています。

今回は日曜日の興津小学校での稽古を取材させていただきました。稽古前の準備の時間からお邪魔しましたが、体育館に入ってきた子どもたちはまず先生方の前で正座をし「お願いします」と手をついてしっかり挨拶ができていました。興津剣友会の礼儀指導が普段から徹底されているとお見受けしました。

さて稽古の方ですが、まずは円陣での座礼からスタート。小中学生ではなかなか見ないスタイルですが、指導者も含め全員の顔を見ての座礼は少人数ならではのアットホームな印象を受けました。

体操・素振り・タイヤ打ちの後、面を着けての回り稽古に入りました。この日は日曜日とあって、先輩の中高生が元立ちになり小学生がそれに掛かる形での稽古となりました。

稽古はすべて6年生の青木美都主将の号令で進められていきますが、途中で注意すべき点を大村正興先生が稽古をとめて指摘します。切り返しから始まり、打ち込み、地稽古とテンポよく進められ、約1時間経過したところで一旦休憩になりました。

このあと、翌週に開催される清水区内の大会に向けて試合練習(団体・個人)を数試合行いました。審判は中学生が上手に務めてくれました。

最後に中高生が先生方との地稽古を30分程度行って日曜日の午前中いっぱいを使った稽古が終了しました。

青木美都主将に興津剣友会の雰囲気と今後の目標を聞いたところ、「興津剣友会はまじめで明るいチーム。今は来週の大会で良い結果を残すことを目標に稽古しています。個人的には10月の市民大会で上位進出したい。中学へ行っても剣道を続けます。」とチャーミングな笑顔で力強く話してくれました。

興津剣友会の指導方針について大村先生は、「基本をしっかり押さえながらも、試合では勝利の喜びを少しでも味わわせてあげたいので、市外の錬成会へ参加したり部内でも試合稽古を取り入れています。今年春の鈴与杯少年剣道大会では予選リーグを突破し決勝トーナメントへ進むことができ、子どもたちの励みになりました。」と語ってくれました。

 

【興津剣友会道場訓】

一、私たちは剣道の基本を忠実に学びます

一、私たちは健康で体力のある子供になります

一、私たちは気力の盛んな子供になります

一、私たちは礼儀の正しい子供になります

一、私たちは誠をつくして良い日本人になります

稽古には多くの保護者が付き添いで同席し、熱心に先生方の指導を見聞きしていました。少人数ではありますが、その分個別に丁寧な指導ができ雰囲気もアットホーム。創立当初からの先生も健在で指導に深く関わってくださっていることも興津剣友会の貴重な宝ではないかと感じました。

少数精鋭で今年は市内の大会でも上位へ進出、手作りの勧誘ポスターやチラシ作成で保護者の皆さんのプロモーションにも力が入っています。興津剣友会の今後の活躍に注目です。

 

 

【平成30年9月16日(日)取材 】

 

教室データ

稽古場所 静岡市立清水興津小学校・興津中学校
稽古日 火曜日 19時~21時(興津中)
金曜日 19時~21時(興津小)
日曜日 9時~11時30分(興津小)
入会金 無料
会費 1,500円/月
問合せ先 054-369-2659(大村正興)
静岡市剣道連盟
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