道場訪問記

その2 富剣会(駿河区登呂)

道場訪問記第二弾は駿河区登呂の「富剣会」。昭和47年創立で、全中やインターハイ出場選手も輩出した歴史ある剣道教室です。
二人の若先生による基本を大切にした実技指導と大先生による生活に大切な礼儀指導の両輪で、目下入門生増加中です。

富剣会は、静岡市立富士見小学校区のスポーツ少年団として昭和47年に創立され、今年で45周年を迎える大変歴史ある剣道教室です。創立当初の師範は、下田先生、中村先生、村谷先生の3人の先生方。同時期に100人を超える門下生が在籍した期間もあったということで、市内でも規模の大きな剣道教室だったということが伺えます。巣立って行った歴代の門下生もゆうに400人を超え、その中には全中やインターハイへ出場したOB・OGもいるそうです。

現在は稽古場所を富士見小学校の他に高松中学校にも拡大し、週3回の稽古に励んでいます。会員数は、小学生9人、中学生9人、高校生2人、一般1人。指導は、大先生(おおせんせい)ことの西ヶ谷松寿教士七段(85)、長男の西ヶ谷由秋五段(57)、西ヶ谷正則五段(54)の3人の先生方があたっておられ、特に小学生の指導に関しては次男の正則先生が主任を務めておられます。

「強く!楽しく!元気よく!」をキャッチフレーズに、礼儀作法の大切さと忍耐強さを指導されていますが、厳しいばかりではなく時に遊びの要素も取り入れながらのメニューもあり、子どもたちにはメリハリのある稽古になっているようです。

取材した日は、高松中学校の剣道場が稽古会場でした。体操・体幹トレーニング・素振りから始まり、面を着けての切り返し、打ち込み、その後道場の長辺を使った追い込み稽古、先生方と中学生が元立ちになっての地稽古とテンポよく進められていきました。

「入門して日が浅い子どもが多いので基本が主ですよ」と正則先生がおっしゃる通り基本稽古が中心ですが、小細工をしない真っすぐな技を徹底的に繰り返す稽古メニューには、子どもたちに正しい剣道を習得させたいという先生方のこだわりを感じました。

稽古後半の地稽古では、御年85歳の大先生も面を着けて元立ちをされました。とても85歳とは思えない軽やかな体さばき・剣さばき、そして、体格の良い子が思い切りぶつかって行ってもビクともしない足腰の強さと安定感に驚かされました。

20時近くになると部活動を終えてから集まってきた中学生が元立ちに加わって小学生に稽古をつけていました。掛かり手の実力に合わせて時に厳しく、時にやさしく相手をしている中学生の皆さん。「後輩たちにはもっともっと上達してほしい!!」そんな気持ちが伝わってくる稽古態度を微笑ましく拝見しました。

今回の訪問で印象に残ったのは、「大先生(おおせんせい)のいる道場はすばらしい!!」ということ。剣技習得のための指導はもちろん、稽古以外の部分で子どもたちに投げかけられる言葉のひとつひとつに人生に役立つ大切なものを感じました。

富剣会、近年入門者が増えつつあるようです。まっすぐな剣道で伝統を引き継いでいってくれそうです。

〇表彰 平成22年度全剣連少年剣道教員奨励賞受賞

【平成29年6月6日(火)取材 】

教室データ

稽古場所 静岡市立高松中学校剣道場・静岡市立富士見小学校体育館
稽古日 火・土 19時00分~20時00分(高松中学校)
金 19時00分~20時00分(富士見小学校)
入会金 無料
会費 小学生2,000円/月(体験は1ヶ月間無料)
問合せ先 054-288-3570(西ヶ谷正則)
静岡市剣道連盟
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