道場訪問記

その10 剣道若竹会(駿河区東新田)

静岡市内でも最も歴史の長い道場のひとつの「剣道若竹会」。静岡市内の少年剣道団体の草分け的道場として一時代を築きました。「一心一刀」の理念のもと、後進指導者が故降矢章成先生の教えを着実に引き継いでいます。

今回の道場訪問記は、静岡市立長田東小学校を主な稽古会場として活動する道場「剣道若竹会」です。若竹会の歴史は古く創立は昭和47年です。当時の長田東小学校の校長の高田先生、野々瀬良夫先生、降矢章成先生らが中心となって立ち上げられました。創立間もない時期から多くの入門者があり、一時期に100人を超える門下生が在籍した時期もあったというから静岡市内でもかなりの大所帯の道場だったことが伺えます。その当時の活気あふれる写真が若竹会のホームページに数多く掲載されています。http://plaza.across.or.jp/~iwsk/

 

道場の基本理念は、「一心一刀」。剣道での一回一回の稽古や試合が生涯でたった一度の出会いだと思い、誠を尽くすこと。「一期一会」と同じ意味とのことです。黙想時に全員で唱和する「道場訓五項目」も創立当初から脈々と続く伝統であり、子どもたちの心の健全育成を願い続けた亡き師範の熱い思いが伝わってきます。「一、人格形成に努める事。一、努力の精神を養う事。一、誠の道を守る事。一、礼儀を重んずる事。一、血気の勇を戒める事。」

さて、稽古の方は9時スタートということで、小学生も一般の皆さんも開始時間少し前に集まってきました。この日は小学生が6人、中学生が3人、一般が10人の参加でした。全員で整列し礼。準備体操も素振りも小学生から大人まで全員で進めていきます。素振りが終わったところで、小学生は足さばきの稽古、中学生と一般が木刀の稽古に分かれました。10月に級位と段位の審査を受ける方が多いということで、「日本剣道形」と「木刀による剣道基本技稽古法」を30分程度みっちり稽古しました。

足さばきと木刀が終わると全員で面を着け大人が元立ちとなる形で切り返しの稽古を何本か繰り返しました。こちらも審査を想定した熱のこもった稽古が展開されました。この後、メン打ちやコテ・メン打ちなどの基本打ちの稽古に入るのが一般的だと思いますが、若竹会ではこのあとそのまま地稽古に入ります。故降矢章成先生の頃から若竹会のスタイルだということですが、先に地稽古を30分程度やったあと、最後に基本打ちで締めくくるというスタイルはなかなかユニークです。稽古を締めくくる最後の基本打ちですので、当然皆さんの気合は十分みなぎるというわけです。良い稽古をされていました。

師範の宮本先生に伺うと、現在は以前と比べ小学生の門下生が少なくなってしまって寂しいということですが、反面、三・四段クラスの一般愛好家の皆さんが20人と多く在籍している点が若竹会の特徴とのこと。日曜日の午前中という稽古時間も一般の方には参加しやすい時間帯なのに加え、年齢や経験・性別を問わずどなたでも参加大歓迎という若竹会の持つ柔らかな雰囲気にも魅力があるのかもしれません。

【平成29年9月10日(日)取材】

教室データ

稽古場所 静岡市立長田東小学校・静岡市立長田南中学校
稽古日 日曜日 9時00分~11時30分
入会金 無料
会費 1,000円/月
問合せ先 054-258-4554(代表 宮本敏行)
ホームページ http://plaza.across.or.jp/~iwsk/
Eメール iwsk@po2.across.or.jp
静岡市剣道連盟
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